A01班の活動状況
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A01班の活動状況

今年度のA01班では,班長の室田が特定研究全般の横断的なテーマ研究会 としてネットワークフローの研究会を主催し,石井グループなどより 多数のA01班メンバが参加した. 今井は,画像処理のテーマ研究会で発表し,このテーマ研究会でも伊藤ら 多数の班員が活発な参加を行った.

以下,4グループについてより詳細に活動を述べる. 茨木グループでは, 主に, A04班との交流を図り, メタ戦略を並列・分散環境で 実現するというテーマを中心に活動を行った. 具体的には, 九州大学の山下 グループと共同研究を進めている. その研究の目標, および現状を 「第3回テーマ研究会: メタヒューリスティックスと並列/分散処理」 において報告した. (1) 朝廣雄一(九大), 局所探索の分散化について, (2) 茨木俊秀(京大), 分散化メタヒューリスティクスの勘どころ の2件である.

藤重グループは,積極的にこれまでに得られた成果を権威のある国際会議である SWAT, ICALP, PODC, COCOON, IFIP TCS, STOC, INFORMS-KORMS, CO, ISMP において発表した. また,アルゴリズムデータベースへの登録状況としては, (1) 多品種流問題の近似解法のプログラム化は完了し,公開用に細部を修正中, (2) 劣モジュラ関数最小化のアルゴリズムに関しては,スケーリング法の プログラムを作成完了.引続き,Schrijver のアルゴリズムと 最小ノルム点法のプログラムを作成中である.

本年度,当研究グループ(増山,伊藤,市川,巳波)では,グラフ理論において, インターネット上でのサーバの配置に関連した2つの問題, 移動体通信に関連した隣接色制約付き彩色問題とその性質, イントーナメント グラフにおける2本の辺素な路問題の効率的アルゴリズム,区間グラフ上 でhinge vertexを求める効率的並列アルゴリズムに関する成果を得た. 計算幾何学に関しては,舞台照明問題の計算量解明や, $n$個の節点からなる凸多角形の節点とその置換の距離の総和が狭義凸かつ狭義 単調増加関数であることを証明した. その他,離散数学に関して,ブロックサイズに制限をおいた 再配置問題と「くるくる迷路」というゲームの計算量を解明した. また,並列処理に関して,部分グラフ同型判定アルゴリズムのFPGAによる実装 と評価,及び,反復的データ分割による数値シミュレーションの静的負荷分散 に関して成果を得た. 更に,自然言語処理では,動詞型連体修飾表現の``N1のN2''への言い 換え, 係り受け関係を用いた重複表現削除に関して成果を得た.

アルゴリズムデータベースへの登録状況については,すでに 関連記事検索・関連記事要約, および,次数制約付き最短路問題の, 決定問題版 のパッケージを公開した. 続いて、最適化問題版のプログラムを作成中である. また,AGVシステムのシミュレータと運行制御プロトコルについても, 遅くとも本年末までには公開の予定である.

テーマ研究会には,以下のように積極的に参加し,有益な意見交換を行なった. 第1回テーマ研究会では,増山が参加し,座長を勤め, 第2回テーマ研究会では,増山,伊藤が参加し,伊藤が座長を勤めた. また,第3回テーマ研究会には市川が参加した.

久保グループは,アルゴリズム工学の中でも,特に実務に近い組合せ最適化問題に対する アルゴリズムを開発した. いくつかのアルゴリズムは既に完成し 6月にはINFORMS2000で 久保が「Local Search Algorithms for the Constrained Routing Problem」を, 宮本が「Algorithm for Channel Assignment Problem」を, を発表した. また,8月にはISMPで 久保が「Speeding up Immediate Selections on Job Shop Scheduling Problems 」を, 宮本が「Algorithm for Channel Assignment Problem」を, 発表した. 現在はスケジューリング問題に対する近似解法(タブーサーチ)および分枝限 定法のアルゴリズムを開発実装しており,それぞれスケジューリング学会と RAMPシンポジウムで発表する予定である.

開発したアルゴリズムを実装し, 久保はグラフ分割,最大クリークを, 宮本はチャネル割当問題をアルゴリズムデータベースに登録している. 現在開発している,スケジューリングに対する近似解法および分枝限定法も近 いうちにアルゴリズムデータベースに登録する予定である.


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趙 亮
<最終更新作成日時 2000年9月27日 >