平成 25 年度第 1 回 OR横断若手の会(KSMAP)


日  時:4 月 13 日(土)
出席者: 18 人
場  所:関西大学 学術フロンティア・コア 3 階会議室 

テーマと講師:

(1) 宮脇大 (京都大学)
「多重クラス集団到着M/G/1 待ち行列の重負荷極限」

概要: 本講演では,独立かつ集団でポアソン到着するような
多重クラス集団到着 M/G/1待ち行列について,トラヒック強
度が1に近いような重負荷状況における結 合系内客数分布お
よびその結合積率に関する極限公式について報告がされた.
得られた結合積率の重負荷極限公式では,対応する既知の結
果と比べて到着過程に課せられた条件は強いものの,サービ
ス時間分布や集団サイズ分布に関する条件 は緩くなってい
ることが紹介された.


(2) 大井一輝(京都大学)
「マルコフ連鎖を用いた野球における状況別勝率計算とその応用」

概要: 野球の作戦に対する数理的な研究が盛んに行われている
が,これまでの研 究の多くでは選手個々の能力の違いが十分
に考慮されていなかった.本講演では 選手個々の能力の違い
や打順を考慮した状況別の期待勝率の算出方法が提案さ れ,
その算出方法を用いて様々な作戦の分析を行った結果が報告さ
れた.


(3) 大峯守人(京都大学)
「木状空間の忌避型施設配置ゲームに対する戦略耐性メカニズムに関する考察」

概要: 忌避型施設配置ゲームとは,各プレイヤーにとって遠くに
あることが望ましい施設を配置する施設配置ゲームの一種である.
本講演では,距離空間が木状である場合において,メカニズムが
施設を配置しうる地点が木上のある一点から 等距離な地点に分
布していること,さらにメカニズムが与える配置によるプレイヤー
の総利益と最適な配置による総利益の比の上界が4,下界が2とな
ることが紹介された.


(4) 小林祐貴(京都大学)
「極小剛なPanel-Hinge グラフの列挙及び形態デザインへの応用」

概要: 本講演では極小剛な panel-hinge フレームワークを表す 
panel-hinge グラフをすべて列挙する問題について紹介があった.
問題が一つの出力当たり多項式時間で済むアルゴリズムを持つこ
とが示された.さらに,そのアルゴリズムを利用して発表者によって
開発された,構造物の設計補助のためのソフトウェアが紹介された.


18名の方々に御参加いただきました.御礼申し上げます.
福永 拓郎
最終更新日: 2013年4月15日