平成 24 年度第 4 回 OR横断若手の会(KSMAP)


第 4 回
日  時:10 月 27 日 (土), 28日 (日)
出席者: 33 人
場  所:琵琶湖コンファレンスセンター
(若手研究交流会として開催)

テーマと講師:

(1) 「Ill-conditionedness in Semidefinite Programming Relaxation for
Polynomial Optimization Problems」
脇隼人 (九州大学)

多項式最適化問題の半正定値計画緩和問題が "ill-conditioned"と呼ばれる条件
を満たしており正確に解くことが難しい場合がある.しかしながら,そのような
場合であっても半正定値計画問題にソルバーを適用すると多くの場合で多項式最
適化問題の解が得られることが報告された.

(2) 「大規模無制約最適化問題に対する数値解法」
成島康史 (横浜国立大学)

無制約最適化問題に対してはニュートン法や準ニュートン法が有効な数値解法と
して知られているが,問題が大規模な場合,メモリ量や計算量の爆発のために適
用不可能となることが多い.本発表では,非線形共役勾配法を中心に大規模無制
約に対する数値解法を比較した結果について報告がされた.

(3)「グラフ系列マイニング」
猪口明博 (大阪大学)

グラフ系列とはネットワークの構造変化を扱うのに適したデータ構造である.
本発表ではグラフ系列から頻出パターンを列挙するグラフ系列マイニングアルゴ
リズムについての研究成果と,それを言葉の係り受け解析に応用した結果につい
て報告がされた.

(4)「On the complexity of reconfiguration problems」
伊藤健洋 (東北大学)

Reconfiguration 問題とは制約を満たす解をわずかな変形を繰り返して別の指定
された解に変化させるときに,途中で現れる全ての解が制約を違反することなく
行うことができるかを判定する問題である.
本発表ではいくつかの計算問題をReconfiguration問題として定式化し,それら
の計算量についての考察が報告された.

(5)「待ち行列理論に基づくコールセンターの性能評価」
フン・ドック トゥアン (東京工業大学)

コールセンターでは,客は長時間待たされると途中放棄をしたり,サーバは客の
電話を対応した後後処理を行ったりする.本研究ではこのようなコールセンター
の特性を待ち行列モデルとして構築し,性能評価を行う方法について解説がされた.

(6)「問題解決へのアプローチとしての経営工学」
竹本康彦 (県立広島大学)

本発表では発表者が書物の販売制度について評価を行った研究成果や,発表者が
開発した製品の品質管理を支援するための意思決定支援ツールについて紹介がさ
れた.また,経営工学を取り巻く環境の変化の中,経営工学はどうあるべきなの
か?そもそも,経営工学とはいったい何なのか?といった点について議論がされた.

その他,学生10件,一般3件のポスター発表がなされ,そのうち以下に2件に学
生優秀発表賞を授与した.

相馬輔 (京都大学)「rank1行列による行列補完アルゴリズム」
小林靖明 (明治大学)「One-sided crossing minimizationに対する準指数時間固定パラメー
タアルゴリズム」

33名の方々に御参加いただきました.御礼申し上げます.
福永 拓郎
最終更新日: 2012年10月29日