平成 23 年度第 3 回 OR横断若手の会(KSMAP)


日  時:8 月 29 日(月), 8 月 30 日(火), 8 月 31 日(水)
場  所:琵琶湖コンファレンスセンター(※本研究部会主催「若手研究交流会」内で実施)

テーマと講師:

(1) タイトル: データ解析コンペと海外滞在のススメ
講師: 高野 祐一氏 (東京工業大学)

本講演では,講演者が4年前から参加している「データ解析コンペティション」と,
博士の学位取得後に半年間滞在した「オランダでの研究生活」
についての紹介がなされた.データ解析コンペティションについては,
ドラッグストアにおける販売価格最適化の話を中心に
4年間の研究内容の紹介,勝利のためのノウハウなどといった
大変分かりやすく盛り上がる内容の話題であった.
また,オランダでの研究生活について,海外で研究するに至った経緯の紹介や,
海外で研究する際の実体験に基づくアドバイスなどもなされ,
これから研究者を目指す学生の方々には大変刺激になるものであった.


(2) タイトル:  チュートリアル整数計画
講師: 宮代 隆平氏 (東京農工大学)

本講演では,整数計画の簡単なデモ,モデル化の技法,
難しい整数計画問題を解くときのコツなどを紹介がなされた.
実際,整数計画ソルバーの高速化はいまだに続いており,
CPUのマルチコア化がさらにこれを後押ししているが,
最近では,有名商用ソルバーのアカデミック・フリー化や,
従来より段違いに高速な非商用ソルバーの登場など,
整数計画関連でお得なニュースがいくつかある.
このような話題を,講演者の実体験を踏まえ,
分かりやすく説明してくれただけでなく,最適化ソフトウェアを
実際にどのように使用するかについての実演もなされた.


(3) タイトル: モデルから現実へ,現実からモデルへ
講師: 稲川 敬介氏 (秋田県立大学)

モデルの扱い易さと精度は,多くの場合,トレード・オフの関係を持つため,
現象の本質を掴み,現実との乖離が少なく,
かつ扱いやすいモデルを構築することは,ある種の夢であるとも言える.
本講演では,講演者が学生の頃より取り組んできた
救急車の運用に関する一連の研究の紹介がなされると共に,
モデルの精度がこの研究にどのような影響を
与えてきたかについての説明が分かりやすくなされた.
特に本講演は,一つの流れで全体をまとめるタイプの発表というよりは,
講演者が学生の頃から現在に至るまでどのように壁に当たり,
それを乗り越えてきたかという,一つ一つの実体験を時系列で追った形の
発表であったため,聴き手も最後までワクワクしながら楽しく聴くことができるものであった.


34名の方々に御参加いただきました.御礼申し上げます.
林 俊介(Shunsuke Hayashi)
最終更新日:2011年9月24日