平成 21 年度第 1 回 若手によるOR横断研究(KSMAP)


日  時:4 月 25 日(土) 14:30〜18:00
場  所:京都大学工学部 8 号館 3 階共同 5 講義室

テーマと講師:

(1)「Network DEAによる油圧ショベルの掘削操作評価モデル」
中辻 一浩*,森田 浩 (大阪大学)

油圧ショベルで掘削作業をする際,操縦者の操作熟練度によって作業環境が同じ
条件でも,同じ燃料,同じ時間を使用しても掘削できる土の量が異なってくる.
本発表では,ある操縦者が他の操縦者と比べて効率よく掘削作業ができているかを
評価するために Network DEA を使用し,評価するために必要なモデルを提案した.

(2)「バックグラウンドトラヒックを考慮したブロックロスの連続性の評価」
加藤 耕太*, 増山 博之, 笠原 正治, 高橋 豊 (京都大学)

インターネットでのパケットロス対策としてFECが注目されているが,FECを
適用したブロックのロスがバースト的に起きるかランダムに起きるかについては
ほとんど着目されていない.そこで本発表では,ブロックロスの連続性を,
二種類のパケット到着過程を持つ有限バッファ単一サーバ待ち行列モデルで
解析的に導出した.

(3)「外平面的化学グラフの立体異性体列挙アルゴリズムについて」
今田 友樹*,大田 駿介,永持 仁,阿久津 達也 (京都大学)

本研究は,外平面的グラフ構造を持つ化合物が与えられたときに,その立体異性体を
すべて列挙する効率のよいアルゴリズムの設計を目的とする.
本発表では特に木構造化学グラフに対するアルゴリズムについてその詳細を説明し,
また実際にアルゴリズムを実装して列挙を行なった結果を紹介した.

(4)「道州制導入が衆議院小選挙区制に与える影響」
弘中 諒*,梅谷 俊治,森田 浩 (大阪大学)

衆議院議員選挙の小選挙区制において,2006年時点で区割指針に沿った一票の格
差の下界は2.153倍と算出されている.格差は2倍未満が基本であり、区割指針の
緩和を考える必要がある.本発表では道州制を導入し,区割画定問題に
おいて道州内で県境を跨ぐ区割を認めた上で最適区割を決める問題を提案し,
その効果を示した.

(5)「マルチホップ無線ネットワークにおけるネットワークコーディングの性能解析」
矢実 貴志*, 増山 博之, 笠原 正治, 高橋 豊 (京都大学)

近年,無線ネットワークにおけるネットワーク・コーディングの適用が注目されて
いるが,コーディング処理時間が大きい場合スループットが低下する可能性がある.
そこで本発表では 3 ノード直列ネットワークを 2 つのバッファを有する単一サーバ
待ち行列でモデル化し,コーディング処理時間に対するスループット解析を行った.

(6)「カーネル技法を用いた資産配分関数の構築」
山下 信雄,吉田 雅基* (京都大学)

最適資産配分問題などにおいて,対象とする資産に関する経済指標を入力として
与えると,それに対する最適な投資割合を出力する関数を資産配分関数という.
本発表では,この資産配分関数を求める問題を定式化し,さらにその双対問題の
解とカーネル関数を用いて,最適な資産配分関数が与えられることを示した.

36名の方々に御参加いただきました.御礼申し上げます.
檀 寛成(Hiroshige Dan)
最終更新日:2009年5月1日