平成20年度第1回 若手によるOR横断研究(KSMAP)


日  時:4 月 12 日(土) 15:00〜18:00
場  所:京都大学 8 号館 3 階共同 5 講義室

テーマと講師:
(1)「分離可能な凸計画問題に対する交互方向乗数法と二次錐計画問題への応用」
大坪 亮太*,福島 雅夫 (京都大学)

[概要]:
分離可能な最適化問題を解く数値解法として,交互方向乗数法が提案されてい
る.本研究では,分離可能な凸計画問題に対して,適当な仮定の下で交互方向
乗数法によって生成された点列が最適解に収束することを示した.また,ある
種の二次錐計画問題に対して交互方向乗数法の各反復に表れる部分問題の解が
陽に求まることを示した.

(2)「移動センサの情報共有過程における効率的な情報収集アルゴリズム」
新居 裕貴*,巳波 弘佳 (関西学院大学)

[概要]:
センサネットワークにおいて,移動センサが近接した時のみそれぞれが持つ情
報を共有することを繰り返し,各センサが全体の情報を収集する方式がある.
この方式では全情報を収集するためには時間がかかる可能性が高いため,収集
センサの導入について考察した.また,収集センサの経路の違いが性能に与え
る影響を評価した.

(3)「デタッチメントカットを用いた特徴ベクトルに基づく木状化合物列挙」
石田 侑介*,永持 仁 (京都大学)

[概要]:
本研究では, 化合物において長さK以下の原子のパスの出現頻度を表す特徴ベ
クトルが与えられたときに, その条件を満たす木状の化合物を全て列挙するよ
うな問題を考えた.  この問題に対し, デタッチメントカットを用いた分枝限
定法に基づくアルゴリズムを提案し, 数値実験による従来手法との比較を行っ
た.

(4)「ピアノ演奏CG自動生成システム」
釘本 望美*,巳波 弘佳,長田 典子 (関西学院大学)

[概要]:
本研究では,ピアノの楽譜データから演奏CGを自動生成するシステムの開発を
目的としている.そのために,まず楽譜データの音の並び系列から運指を決定
することを最適化問題として定式化し,適切な運指が得られることを示した.
さらにそれに基づくピアノ演奏CGアニメーションを生成した.

(5)「例外サービスを持つ有限バッファM/G/1待ち行列モデルにおける呼損率の漸近解析」
木村 達明*, 増山 博之, 高橋 豊 (京都大学)

[概要]:
例外サービスを持つ有限バッファM/G/1待ち行列の呼損率は,特別な場合
を除き,漸化式による繰り返し計算によってしか得ることができない.本研究
では,バッファサイズが十分大きい場合に成立する呼損率の漸近公式を導出し,
近似公式として提案した.加えて,誤差項がゼロへ収束する速度に関して数学
的な評価も行った.

32名の方々に御参加いただきました.御礼申し上げます.
檀 寛成(Hiroshige Dan)
最終更新日:2008年4月23日