平成19年度第1回 若手OR研究者の会(KSMAP)


日時:2007年 4月14日(土) 15:00〜17:30
場所:京都大学 本部構内 工学部8号館3階 共同5講義室
  
講演題目と講演者:
・ 倉谷 和彦 (京都大学 大学院情報学研究科 システム科学専攻 修士課程1年)
  「P2P型実時間サービスにおける分散型ユーザ管理方式の性能解析」
[概要]:
Skypeに代表される実時間型P2Pサービス網では,ユーザ情報はユーザノードか
ら選ばれた複数のスーパーノードによって管理されており,その数はネットワ
ークの状態に応じて動的に増減する.本講演ではそうした情報管理機構を連続
時間マルコフ連鎖でモデル化し,平均呼設定時間について性能解析を行う.

・ 久保田 雄統 (京都大学 大学院情報学研究科 数理工学専攻 修士課程1年)
  「準変分不等式に対するギャップ関数と一般化Nash均衡問題への応用」
[概要]:
一般化Nash均衡問題は,準変分不等式問題に再定式化できることが知られてい
る.準変分不等式問題を数値的に解くため,ギャップ関数を用いる手法が提案
されているが,停留点が必ずしも大域的最適解になっているとは限らない.そ
こで,本研究では,このギャップ関数の微分可能性など,いくつかの性質につ
いて議論する.

・ 黒川 典俊 (京都大学 大学院情報学研究科 数理工学専攻 修士課程1年)
  「大規模な制約なし最小化問題に対するコーダルグラフを用いたスパース準ニュートン法」
[概要]:
大規模な無制約最小化問題を解くには,疎性を利用することが有用である.本
発表では,目的関数のヘッセ行列の疎構造とそのコーダル部分グラフを用いた
準ニュートン更新を提案する.さらに,ヒューリスティックなアイディアに基
づき,提案手法が速い収束性をもつようなコーダル部分グラフを求めるアルゴ
リズムも提案する.

・ 桐原 健爾  (京都大学 大学院情報学研究科 システム科学専攻 修士課程1年)
  「ストリーミングにおける分散型コンテンツ配信の性能評価」
[概要]:
多対一送信方式に基づくストリーミングサービスの通信品質改善効果を評価す
るため,ストリーミングサーバとクライアント端末の間に存在するボトルネッ
クルータを有限バッファ待ち行列でモデル化し,パケットロス過程を解析する.
また,オリジナルデータに付与された冗長度がもたらす品質改善効果について
も検討を行う.

21名の方々に御参加いただきました.御礼申し上げます.
増山 博之(Hiroyuki Masuyama)
最終更新日:2007年4月15日