平成13年度第4回KSMAP


日時:2月20日(水) 15:00 〜 18:00

京都大学 工学部7号館 4階 第3講義室

       会場への案内  

講演題目と講演者

  混載輸送ネットワーク設計
   宮本裕一郎   (東京商船大学商船学部)

  投票力指数計算の高速化
   宇野毅明     (国立情報学研究所アルゴリズム基礎分野) 


講演要旨:

混載輸送ネットワーク設計

宮本裕一郎 (東京商船大学商船学部)

例えば,宅配便などの輸送ネットワークにおける拠点間の輸送を考える.このたぐいの
ネットワークにおいて需要は(多少の変動はあるにしろ)定常的にあるので,拠点間は定
期便が走っており,日々の変動に従って定期便に微調整を加えるのが普通である.今回は
この定期便の経路選択をネットワーク設計問題として考える.拠点は末端・中継点を含め
て全て与えられているとし,荷物は発地・着地ごとに区別されるとする.

これらを抽象化したモデルとして以下の問題を考える.
「点集合と有向枝集合により構成されるネットワークと,そのネットワーク上を流れる品
種の集合が与えられている.各品種の始点・終点は各1つであり,各品種の流量は与えら
れている.枝に流れが生じると,品種に依存しない固定費用(枝の施設費用)と品種に依
存する変動費用が生じる.各品種についてその流れがsimple path上を流れなければいけ
ないという条件の下で,総費用(=固定費用+変動費用)を最小にする流れを求めよ.」
この問題に対するアプローチとして,整数計画ソルバーを用いるもの,ラグランジュ緩和
と劣勾配法を用いるもの,メタ解法を紹介する.あわせて計算実験結果も紹介する.余裕
があれば問題の拡張も話す予定である.



投票力指数計算の高速化

宇野毅明 (国立情報学研究所アルゴリズム基礎分野)

 投票力指数とは、議会の各政党の力を指標化したものである。いくつかの
有名な投票力指数に対して、1政党の指数を計算する動的計画法アルゴリズムが
提案されている。この動的計画法は、比較的構造が単純で無駄がないので、
改良は難しいように思える。本発表では、問題を「全政党の投票力指数を
計算する」とした場合に対する、比較的簡単なアイディアを用いた
改良法を提案する。改良により、全プレイヤー分の計算量が1人分の計算量
と等しくなる。
16名の参加がありました. 参加してくださった方々に御礼申し上げます.
高畑 貴志(takabatake@sys.es.osaka-u.ac.jp)
<最終更新作成日時 2002年3月15日 >