平成12年度第2回KSMAP


平成12年度第2回のKSMAPでは,神戸商科大学の木庭淳先生と徳島大学の小野功先生にご講演をお願いしました.
日時:6月14日(水) 15:00 〜 17:30 

場所:京都大学 工学部7号館 (建築) 建築第1講義室

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講演題目と講演者

  進化計算によるレンズ系の設計
    小野 功 (徳島大学工学部)

  収束時間を早めた自己安定相互排除において
  故障による特権を与えない方法について
    木庭 淳 (神戸商科大学)

講演要旨:

進化計算によるレンズ系の設計

小野 功 (徳島大学工学部)

本報告では,設計支援の観点から進化計算(Evolutionary Computation; EC)の特徴について議論し,EC のレンズ設計への応用の現状について紹介する.ECは,近年,従来法では解決することが困難であった 問題を解決する潜在能力をもつ最適化手法として多くの注目を集めている.レンズ設計問題は,非常に 非線形性,多峰性が強く,また複数の評価基準が存在する困難な問題として知られており,専門家の勘 と経験に基づく知識なしにコンピュータプログラムにより自動的に解決することが困難とされてきた問 題である.ここで紹介するECに基づくレンズ設計手法は,領域知識を用いずに,専門家に迫る設計解を 得ることに成功している.これは,専門家の勘と経験が十分に蓄積されていない分野において,ECが有 望な設計支援システムのエンジンとなり得ることを示唆していると考えられる.


収束時間を早めた自己安定相互排除において故障による特権を与えない方法について

木庭 淳 (神戸商科大学)

従来の自己安定相互排除問題に対する研究のほとんどは、 故障状態から正常状態への安定化といったん正常状態に 復帰すればそれを持続することの保証にとどまっていた。 最近になって、故障が起きてからの回復期間においても 誤った特権を与えないようにしようというテーマに目が 向けられつつあり、暗号化を用いたシステムや故障封じ込め ・強安定のように、回復期間中も一定の条件を保証するような 方法が提案されている。しかし故障プロセス数が少ないという 仮定が用いられていたり、収束時間が遅いなどの問題点が 残されている。  本報告では大きな標本空間を持つ状態変数を用いることにより 故障を発見し、予め定義した値にリセットすることで正常状態に 復帰させる方法について提案する。この際複数個のリセット値 が生じた場合にDijkstraの3状態プロトコルを模倣することで 復帰する方法、およびできるだけ複数個のリセット値を生じ させない方法について議論する。
37名の参加がありました.参加していただいた方々, どうもありがとうございました.
柳浦 睦憲(yagiura@amp.i.kyoto-u.ac.jp)
<最終更新作成日時 2000年6月20日 >