TOKUTEI: Unsolved Problems
未解決問題集
今後の班会議の題材になればと、この度、皆様から未解決問題を
お寄せ頂けるページを設けました。
世紀の難問から、ちょっと気になる問題までどしどしお寄せ下さい。
どうモデル化したらいいの?という話も歓迎いたします。
問題の名前、説明、背景、出題者名を梅谷(umetani@?????.kyoto-u.ac.jp)
までメイルにてお出し下さい。
(テキストファイルでお送り、願えます。上・下付き添字、ギリシャ文字
程度は対応できますので、その場合latex風にお書き下さい。)
掲載された問題に対するコメント等は直接出題者にお尋ね下さい。
- Q1:ハイパーグラフ3分割問題
(出題者:永持 仁)
- 与えられたハイパーグラフからハイパー辺を取り除き、連結成分を3つ以
上にする。このとき、取り除くべきハイパー辺の数を最小にせよ。
- 説明:この問題はNP-困難か? 連結成分を2つ以上にするのであれば、
フロー問題に帰着できる。グラフの場合は、連結成分をk個以上にする
最小分割はkを固定すれば多項式時間で解けるが、kを変数とすると
NP-困難。
- Q2:局所2点連結化問題
(出題者:永持 仁)
- 単純無向グラフG=(V,E)と
いくつかの点対の集合P={(u1,v1),(u2,v2),...,(up,vp)}が
与えられたとき、どの点対ui,vi間の点連結度も2以上になるように、
Gに最小本数の辺を加えたい。
- 説明:この問題はNP-困難か? Pがクリークを与える場合には
多項式時間で解けることが知られている(T.-s. Hsu and M.Y.Kao, 1996)。
辺連結度版は多項式時間で解ける。
- Q3:最長幾何学的巡回路問題
(出題者:伊藤 大雄)
- 平面上のn点を入力とし、そのn$点全てを丁度一回ずつ通る閉路で長さ
最長のものを求める問題。点間の距離はユークリッド距離で与えられる。
- 説明:「最短」幾何学的巡回路問題ならば言うまでも無くNP困難。この問
題もどう見てもNP困難ですが、私の調べた範囲では証明されている文献は
ありませんでした。定義は単純で誰でも思いつきそうなので、どこかでや
られていても不思議はありませんが、もしかしたら応用があまり無いので
やられていないのかもしれません。ユークリッド距離の場合は最短と最長
とは振るまいがかなり違うので、最短幾何学的巡回路問題のNP困難性の証
明からは簡単にもってこれないと思います。
- 参照:Q3 の maximum TSP ですが,これについては今年のSODAでも発表があり,
過去にいろんな結果が得られています.
- 2点間の距離が L_d 距離 (d = 1, 2, ..., ∞) の場合, PTAS が存在する.
- 特に, L_1 距離の場合は線形時間で求められる.
- L_d 距離の場合, d >= 3 ならば NP困難.
- L_2 距離(平面上)の場合は分かっていない.
- 詳しくは
- S. P. Fekete,
- "Simplicity and Hardness of the Maximum Traveling Salesman Problem
under Geometric Distances,"
- Proceeding of the tenth annual ACM-SIAM symposium on discrete
algorithms (1999).
- を参照ください.(塩浦 昭義 上智大学)
梅谷 俊治
<最終更新作成日時 1999年6月29日 >